クリスマスリースは壁にかけて飾れるので、「家が狭くてツリーを飾る場所がない!」と、クリスマスツリーをあきらめている方も気軽にクリスマスムードを楽しめるアイテムです。また、最近のナチュラル志向や北欧ブームが続く中、自然素材で自分で手作りされる方も多く、クリスマスが近づくとホームセンターにリースの素材が揃い、手作りリース教室やワークショップも大人気です。そこで気になるのが、そもそもクリスマスリースってどうして飾るようになったのか?その由来や意味を知って、もっとクリスマスリースを楽しんでみませんか?
クリスマスリースの由来は?どうして飾るの?
人間の一生は、はかなく短いものです。太古の昔から、普遍的な物への強い憧れがあったのでしょう…。始まりも終わりもない“永遠”の形をしたリースは、冠や飾りなど様々な形を変え、人々の心の拠り所として存在してきました。
権力者の威信の象徴、勝者への賛辞、宗教的な儀式、結婚式、葬儀…、古代ギリシャ・ローマ時代、月桂樹やオリーブや花で人々はリースを作りました。
キリスト教が伝わる以前、樹木崇拝していた古代ゲルマン人は、1年中緑の葉を枯らさない常緑樹をお祭りで使用したり、自分の家に飾ったりしました。
聖書には「わたしはアルファであり、オメガである。最初であり、最後である。」と記されています。最初も終わりもないリースの形が“神とその愛は永遠の存在である…”と言う教えにしっくり符号するのですから、クリスマスにリースが飾られるようにったのはごく自然の流れなのでしょう。
クリスマスリースにはどんな意味がある?
クリスマスリースに使われる常緑樹(モミ・ヒバ・杉など)は冬でも葉を枯らさず、きれいな青々とした緑色をしています。力強い生命力の象徴とされます。また、常緑樹の葉には優れた殺菌・抗菌作用があり、その事から“災いから守ってくれる”魔除けの意味もあります。
リースに飾られる植物たち…松ぼっくり、姫りんご、麦の穂、ぶどうの蔓などは“豊作祈願”の思いが込められています。
クリスマスリースと言えば、鮮やかな赤い実が印象的ですが、この赤い実は柊(ひいらぎ)です。
これはイエスキリストが十字架にかけられた時に頭にかぶせられた茨(いばら)の冠を表しています。
先端の尖っている柊の葉が茨、柊の赤い実がキリストの流した血です。
クリスマスリースは、キリスト教のお祭りであるクリスマスに飾るものなので宗教的な意味が込められているのはもちろんですが、豊作祈願や魔除けなど、太古からの普遍的な人々の願いも込められている事が分かります。
クリスマスリースいつからいつまで飾るの?
正式なクリスマスの期間は12月25日~1月6日までと決まっています。日本では12月24日(イブ)と25日の2日間と思っている方も多いかもしれませんね。
クリスマスの4つ前の日曜日から“アドベント”と呼ばれるキリストの降誕を待ち望む期間(待降節)に入り、クリスマスに向けて本格的な準備が始まります。
クリスマスツリーやクリスマスリースを飾る期間は、アドベントの始まる日からクリスマスの終わる1月6日までです。
4週間前(待降節)から2月2日(聖母お清めの祝日)までという説もあります。
年末年始にニューヨークに旅行に行ったことがありますが、ツリーやリース、イルミネーションなど…まだまだクリスマス真っ盛り!という感じだったので、その時はちょっと違和感を感じたのですが、クリスマスは準備段階から定められた期間があったのですね。
日本では25日が過ぎるとすぐにお正月モードなります。クリスマスをイベント的に楽しむ日本と、キリストの降誕を祝う欧米との違いがはっきり表れていますね。
まとめ
始まりも終わりもない輪の形をしているリースの起源は、昔々古代の時代まで遡れます。時代や場面によって、人々はリースに様々な思い・願いを込めてきました。
クリスマスを祝うようになると、キリストにまつわる飾り付けがされたクリスマスリースが誕生しました。
飾り一つ一つに深い意味・歴史があると知り、しんみりと静かな気持ちになってしまいます…。
クリスマスリースはクリスマスツリーよりもお手軽ですし、シンプル、ナチュラル、ゴージャスなど…自分好みにアレンジできるのもうれしいですね。今年は大切な人の事を思ってクリスマスリースを飾ってみませんか?
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